作品資料

夜明けの厳粛な群衆 / Solemn Crowd at Dawn

エル・アナツイ / El Anatsui
1989 · 彫刻 / ミクストメディア / テンペラ
作品画像
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概要

Overview
木材に刻みや彩色を加え、壁に掛かる横長の面として構成した作品である。
題名は群衆を想像する入口となるが、木の表面にある溝や色の差を、具体的な人々の肖像へ一対一に置き換える必要はない。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
横長の広がりの中で刻まれた部分や彩色された部分が連なり、細部の差を保ちながら一つの面を作っている。

空間

Space
壁掛けの形式を持ちながら木材の厚みと彫り込まれた溝があり、平面上の描写と実際の凹凸が併存する。

色彩

Color
木地の色とテンペラによる彩色が重なり、素材そのものの色と付加された色を比較できる。

形態

Form
木の面を削った痕跡は単なる輪郭線とは異なり、溝の縁や深さが形の読み取りに関わる。

マチエール

Material
熱帯広葉樹とテンペラを用い、切削による刻みと彩色という異なる操作を同じ表面へ組み合わせている。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
一九八九年の木製壁掛け作品であり、後年の金属片をつないだ大規模な作品だけでは捉えられない作者の展開を示す。
作家公式記録では六十五センチメートルと百四十センチメートルの大きさが示され、巨大な金属作品とは尺度も異なる。

解釈上の論点

Interpretive Issues
群衆という題名による連想と、木の刻みや彩色から確認できる造形的な関係は区別して説明できる。
後年の金属作品の前段階とだけ評価せず、硬い木を削る操作が固有の表面を生む点を検討する。

受験上の着眼点

Exam Points
木を削ってできた線と表面へ描いた線を区別し、形と素材の関係を説明する。
《ドゥササ II》と比較し、連なる表面という共通点と、木と金属の操作の違いを整理する。
サルセドの壁面作品と比べ、物の痕跡を壁に向かって読む際の距離と素材の意味を考える。