作品資料

檜図屏風 / Cypress Trees

狩野永徳 / Kano Eitoku
16世紀 · 墨・彩色
作品画像
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e国宝:檜図屏風 ↗

概要

Overview
太い檜の幹と枝が金地の画面を横断し、樹木を遠景の一部ではなく目前の大きな存在として示す作品である。
枝先まで全体を収める構図ではなく、画面の縁で樹木を切ることで、外側にも伸び続ける大きさを想像させる。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
曲がる幹と枝の方向が各扇をつなぎ、細部を追う視線と画面全体を横に渡る視線を両立させる。

空間

Space
岩や水面は樹木の周辺に置かれるが、金地が連続するため、奥へ抜ける景色と装飾面が重なって見える。

色彩

Color
金地の明るさに濃い幹が強く対立し、水の青い部分が金と褐色の間で局所的な変化をつくる。

形態

Form
樹皮の凹凸と幹のうねりが大きな量塊を支え、細い葉よりも骨格となる枝の形が印象を決める。

マチエール

Material
紙本金地着色の画面では、金の面と描線の手触りが異なる。現状の屏風の折れも形の連続の見え方に関わる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
東京国立博物館の所蔵品で、現在は四曲一双に仕立てられている。旧来の八曲一隻の図版とは形状が異なる。
もとは襖絵であったと考えられる作品であり、額絵のように独立した一枚の窓としてのみ見ることはできない。

解釈上の論点

Interpretive Issues
巨大な樹木を権力の象徴と読むことは可能だが、その意味を作者の意図として確定せず、拡大された形の効果から考える。
金地を現実の空や光と同一視する読みと、景色を中断する装飾面と見る読みを分けると空間の二重性が見える。

受験上の着眼点

Exam Points
幹と枝が画面の縁に達する箇所を手掛かりに、部分だけで樹木の大きさを伝える仕組みを説明する。
描き込まれた樹皮と広く残された金地を比較し、密度の差が形の存在感を高める働きを考える。
北斎の大きな波が近景を占める構図と比較し、画面内外の広がりを想像させる操作を整理する。