作品資料

唐獅子図屏風(右隻) / Chinese Lions, Right Screen

狩野永徳 / Kano Eitoku
16世紀 · 墨・彩色
作品画像
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皇居三の丸尚蔵館:唐獅子図屏風 ↗

概要

Overview
岩間を進む二頭の獅子を金地に大きく描いた右隻を対象とする。身体の量感と巻き毛の曲線が画面を強く占める。
獅子を小さな動物として景色へ収めず、鑑賞者の前に迫る姿に拡大することで、屏風全体を運動の場に変えている。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
二頭の身体と向きの違いが横長の画面に緩急をつくり、岩の配置が進行方向を区切る節として働く。

空間

Space
金雲や岩の重なりは場所を示すが、地面から遠景へ連続する奥行きよりも、近景の獅子が前面に押し出される。

色彩

Color
明るい金地と獅子の明暗の差によって輪郭が際立ち、体毛の部分的な濃淡が平坦な背景の前に量を与える。

形態

Form
重い胴体に対して尾や巻き毛が反復する曲線をつくり、重量感と跳ねるような線の動きが共存する。

マチエール

Material
紙本金地着色の六曲屏風の右隻であり、折りの角度によって獅子の長さと岩の重なりの印象が変わる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
皇居三の丸尚蔵館で一双として伝わる作品のうち、右隻は狩野永徳、左隻は後代の狩野常信による。
このレコードは永徳の右隻だけを扱う。後に一双となった現在の姿と、右隻の制作時の条件を区別する。

解釈上の論点

Interpretive Issues
獅子の迫力を実際の動物の正確な再現と混同せず、空想的な身体の組合せと拡大による効果を検討する。
一双としての調和を評価する場合にも、左右の作者と時代が異なる事実を消して単一の制作意図を想定しない。

受験上の着眼点

Exam Points
身体を支える足と動きのある毛の線を分け、重さと運動が同時に伝わる構造を説明する。
金地に対する形の大きさを考え、画面を広く占めることと威圧的に見えることの関係を検討する。
ピカソ《ゲルニカ》の動物の断片化と比較し、力や緊張を示す身体の構成法の違いを整理する。