作品資料

藤花図屏風 / Wisteria

円山応挙 / Maruyama Okyo
1776 · 墨・彩色
作品画像
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根津美術館:藤花図屏風 ↗

概要

Overview
金地に藤の幹、蔓、垂れる花房を広げた屏風で、枝の大きな動きと花の細かな色の集まりを対照させている。
幹や蔓の量感を筆の濃淡で示しながら、花房の配置によって横長の画面に垂直方向のリズムを加える。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
幹や蔓が画面を横へつなぐ方向と、花房が下がる方向が交差し、縦横の動きによって全体を構成する。

空間

Space
金地は具体的な庭の奥行きを説明せず、枝の重なりと花房の前後が限られた空間の手掛かりになる。

色彩

Color
花の白、青、紫がまとまりながら小さな変化をつくり、広い金地との密度の差が花房を際立たせる。

形態

Form
枝は一律の輪郭線で囲うより、筆の幅と濃淡によって太さや丸みを示し、花は小さな形の集合として現れる。

マチエール

Material
紙本金地着色の六曲一双であり、金の面と重ねた顔料の部分の違いが、画面の均一でない感触を生む。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
根津美術館所蔵の1776年の作品である。応挙の植物描写と屏風の装飾的な構成を併せて考える資料になる。
植物を描く光琳の燕子花図と比べると、対象の特徴だけでなく、枝や花を画面へ配置する仕組みを比較できる。

解釈上の論点

Interpretive Issues
一筆で描いたように見える枝の軽快さから、構図全体まで即興的だったと結論することはできない。
花の色の豊かさを自然のそのままの再現とせず、金地との対比のための選択としても考えられる。

受験上の着眼点

Exam Points
横へ伸びる枝と下へ垂れる花房を分け、異なる方向が画面を安定させる方法を説明する。
枝の幅の変化と墨の濃淡を手掛かりに、輪郭線を強調せず量感を示す方法を見る。
《モナ・リザ》の細かな明暗移行と比較し、少ない筆の操作で量を示す方法の特徴を考える。