作品資料

雪松図屏風 / Pine Trees in the Snow

円山応挙 / Maruyama Okyo
18世紀 · 水墨 / 墨・彩色
作品画像
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三井記念美術館:雪松図屏風 ↗

概要

Overview
雪を載せた松を墨と金彩で示し、紙の白さを雪として働かせた一双の屏風である。三井記念美術館の所蔵作を扱う。
描かれた幹と枝だけでなく、描かずに残る白い領域が雪の厚みと周囲の広がりを伝えている。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
左右の松の形に違いをつけながら、間に広がる空きによって二隻を結び、樹木と周辺を一緒に見る構成になっている。

空間

Space
幹や枝の重なりは局所的な奥行きを示すが、白い領域には明確な地平がなく、雪景の広がりが保たれる。

色彩

Color
墨の濃淡、金彩、紙の白色という限られた要素の違いが、冷たい雪と光を受ける画面の両方を感じさせる。

形態

Form
枝を覆う雪は輪郭線だけで囲わず、周囲の墨の形によって見える。描いた部分が描かない形を成立させる。

マチエール

Material
紙本墨画金彩の作品であり、白い絵具を全面に塗るのではなく支持体の白を生かすことが表現に関わる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
江戸時代の三井家に伝わった屏風で、現在は三井記念美術館に所蔵される。制作年は同館記録の十八世紀表記に従う。
雪の中の松という対象を観察する視点と、屏風として部屋に置かれる画面の装飾性が同時に考えられる。

解釈上の論点

Interpretive Issues
余白は何もない場所とは限らず、雪という物質にも空間にも読める。両者を一つの意味へ固定しないことが重要である。
写生的な印象を実景の忠実な記録と同一視せず、左右の配置や白い領域の広さという構成上の選択を見る。

受験上の着眼点

Exam Points
描いた墨がどのように白い雪の形を支えるかを、形と地の反転という観点から説明する。
左右の松の方向と中央の間隔を組み合わせて、静けさと広がりの理由を言葉にする。
北斎《凱風快晴》の色面で示す山と比較し、白く残すことによって形を伝える方法を整理する。