作品資料

タービュレント / Turbulent

シリン・ネシャット / Shirin Neshat
1998 · 映像 / インスタレーション
作品画像
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グレンストーン・作品記録 ↗

概要

Overview
向かい合う二つの画面に、男性の観客の前で歌う男性と、空の客席へ向かう女性を別々に示す映像作品である。
二つの場を一枚の画面へ合成せず離して置くため、鑑賞者は両者の像と声の関係を空間の中で考えることになる。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
向かい合う二画面を一組とし、画面内の歌い手と客席の関係に加え、画面同士の対置が全体の構成を作る。

空間

Space
一方の壁を向けば他方を同時には詳しく見にくく、鑑賞者自身の向きが作品の受け取り方に関わる。

色彩

Color
二つの映像を白黒で示すことで、色の差ではなく人物、客席、明暗の配置の違いへ比較を導いている。

形態

Form
人のいる客席と空の客席が対をなし、歌い手の身体だけでなく、受け手の存在や不在が見える形となる。

マチエール

Material
十六ミリの白黒フィルムをビデオへ移した二チャンネルのインスタレーションであり、静止した二枚組写真とは区別する。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
一九九八年制作の映像作品で、本レコードはグレンストーンの作品記録に基づいて媒体を同定している。
女性の声が公共で受け止められる条件を考える作品であり、撮影された場をそのまま現地の日常の記録とはみなさない。

解釈上の論点

Interpretive Issues
男性と女性を単純な性格の対立に置き換えず、観客の有無や発声の条件がどのように非対称になっているかを検討する。
音を含む二画面の経験は静止画では再現されないため、テキストで分かる構造と実際の視聴が必要な質を区別する。

受験上の着眼点

Exam Points
歌い手の性別だけでなく、客席の有無と二画面の向かい合う配置を含めて比較する。
一度に両方を詳しく見ることが難しい配置が、鑑賞者の選択を作品へ関わらせる点を説明する。
《最後の晩餐》と比較し、一つの画面で共有される集団の場と、二つに分けて示される場の違いを考える。