作品資料

旭日鳳凰図 / Rising Sun and Phoenix

伊藤若冲 / Ito Jakuchu
1755 · 墨・彩色
作品画像
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皇居三の丸尚蔵館:旭日鳳凰図 ↗

概要

Overview
旭日と鳳凰を組み合わせた縦長の掛幅で、現実の鳥とは異なる存在を、羽や身体の細かな描写によって示している。
鳳凰の複雑な形と日のまとまった形が対照をつくり、細部を読む視線と全体を捉える視線を行き来させる。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
長く伸びる羽や身体の方向が縦長の画面に沿い、まとまった旭日の形が複雑な輪郭との対照点になる。

空間

Space
鳳凰の身体の重なりが近さを示す一方、背景の広がりは地形の説明よりも、像を際立たせる場として働く。

色彩

Color
多彩な羽の色の切替えと旭日のまとまった色面が異なる密度をもち、小さな変化と大きな対比をつくる。

形態

Form
個々の羽が細かく区切られていても、身体と尾の大きな曲線がそれらを一つの鳥の姿として結び付ける。

マチエール

Material
絹本着色の一幅であり、細い線と彩色の層が共に形を支える。紙本の屏風とは支持体と画面形式が異なる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
皇居三の丸尚蔵館所蔵の1755年の作品であり、若冲の動植綵絵三十幅のうちの一幅としては扱わない。
鳳凰は現実の鳥の記録ではなく、東アジアの絵画で扱われてきた想像上の存在である。観察と創作を分けて考えられる。

解釈上の論点

Interpretive Issues
羽の精密さを生物学的な正確さと同一視せず、架空の身体に説得力を与える表現として読むことができる。
旭日や鳳凰の吉祥的な意味を説明しても、配置や密度の分析を省けば、なぜこの形で描かれたかは見えてこない。

受験上の着眼点

Exam Points
細かい羽と単純な日の形を比較し、描写の密度の差が視線を移動させる方法を説明する。
架空の生物でも現実の鳥を連想させる箇所を考え、観察と想像の接続を言葉にする。
《凱風快晴》のまとまった山の形と比較し、複雑な細部をもつ主役が全体の統一を保つ方法を見る。