作品資料

樹花鳥獣図屏風 / Birds and Animals in Flower Garden

伊藤若冲 / Ito Jakuchu
18世紀後半 · 墨・彩色
作品画像
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静岡県立美術館:樹花鳥獣図屏風 ↗

概要

Overview
多数の動物と鳥を花や水辺に配した一双の屏風で、細かな升目の色の集積によって画面をつくっている。
右隻の白象と左隻の鳳凰が大きな目印となる一方、周囲にも多くの生き物があり、中心と細部の関係が複雑である。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
左右の主役が各隻をまとめ、周辺の鳥獣や草花が密集することで、一点だけでは完結しない視線の往復を促す。

空間

Space
前後の重なりはあるが、升目が対象と背景に広がるため、景色の奥行きと色面の敷き詰めが同時に感じられる。

色彩

Color
小さな区画内の濃淡が集まり、離れると動物や植物の色にまとまる。近くと遠くで色の単位の見え方が変わる。

形態

Form
丸みのある身体や葉の曲線を小さな方形の集積で示し、全体の輪郭と個々の単位の形が異なる。

マチエール

Material
紙本着色の六曲一双で、升目を基礎にした彩色が画面の表面を特徴付ける。モザイク片を貼った作品ではない。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
静岡県立美術館所蔵の作品で、同系統の鳥獣を描く別の屏風と区別する。左右は別の時期に同館へ収蔵された。
升目を用いた画面づくりは、個々の生物の細密な線描とは異なる仕方で、対象と画面全体をつなぐ。

解釈上の論点

Interpretive Issues
現代の画素に似て見えてもデジタル画像の技法ではない。類似は比較の入口であり、制作方法の同一性を意味しない。
生物が集まる場面を一つの思想の図解として断定せず、種類の多様さと均一な単位の併存を観察できる。

受験上の着眼点

Exam Points
近くでは方形、遠くでは生物に見えるという二つの尺度から、見る距離による変化を説明する。
右隻と左隻の主役と周辺の密集を分け、中心のある構図と全面的な反復がどう共存するかを見る。
草間の反復する突起と比較し、同じような単位の集積が異なる全体像を生む理由を考える。