作品資料

燕子花図屏風 / Irises

尾形光琳 / Ogata Korin
18世紀 · 墨・彩色
作品画像
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概要

Overview
金色の背景に青い燕子花と緑の葉が群れを作り、六曲一双の屏風の面へ配置された作品である。
土や空の具体的な描写を少なくすることで、花の姿と花群の間隔が、風景と模様の両方として見える。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
花の群れが連続する場所と金地の空く場所が交互に現れ、画面を横へたどる順序を作る。

空間

Space
背景に地平線や遠山を設けず、葉と花の重なりが浅い奥行きを支えながら金地の平面性を残す。

色彩

Color
青い花、緑の葉、金色の背景という大きな色の差が、個々の細部より全体のまとまりを際立たせる。

形態

Form
細長い葉の方向と花のまとまりが反復され、似た形の間に向きや高さの違いが見いだせる。

マチエール

Material
紙本金地の面は光と屏風の折れに応じて見え方が変わり、平らな複製画像では捉えにくい物質的な差を持つ。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
江戸時代の屏風として、室内を区切る物の形と、横へ展開する絵画の構成が重なっている。
燕子花を扱う光琳の別作品もあるため、根津美術館の一双を対象とし、橋の描かれた別作品と混同しない。

解釈上の論点

Interpretive Issues
自然の花が描かれていても、群れの配置は画面全体の秩序として読む必要があり、観察と装飾を対立させ過ぎない。
同じ形が見えることから機械的な複写と即断せず、反復する部分と変化する部分を具体的に比較する。

受験上の着眼点

Exam Points
花の数を数えるだけでなく、群れ同士の空きと葉の方向を図式化して横の流れを説明する。
金地を背景色だけとして扱わず、奥行きを限定し花を際立たせる面として読む。
草間の反復する突起と比較し、単位の集合が全体の表面を変える仕組みを考える。