作品資料

漢時代の壺を落とす / Dropping a Han Dynasty Urn

アイ・ウェイウェイ / Ai Weiwei
1995/2009年プリント · 写真
作品画像
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森美術館・作品記録 ↗

概要

Overview
作者が壺を持ち、手を放し、壺が地面で壊れるまでを三枚の白黒写真に分けて示す作品である。
本レコードは森美術館所蔵の一九九五年の行為を写した二〇〇九年プリントを扱い、現場の実演そのものとは区別する。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
同じ人物と場所を保った三つの画面が連なり、位置の連続と壺の状態の変化を比較できる構成となっている。

空間

Space
背景と撮影位置をほぼ保つことで、空間の移動よりも、同じ場で起きた行為の前後へ注意が集まる。

色彩

Color
白黒の階調が人物、壺、壁、地面をまとめ、色の変化ではなく姿勢と物の位置の変化を読み取りやすくする。

形態

Form
壺を支える手、落下中の物、地面の破片という形の差が、連続する行為を三つの状態へ分節している。

マチエール

Material
三点組のラムダプリントであり、壊れた壺の現物や、同主題を別材料で再構成した作品とは異なる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
題名が漢時代の壺であることを示すため、行為は物の古さや文化的価値をどう扱うかという問題と結びつく。
撮影・行為の年とプリントの年を分けることで、出来事が後の写真作品として提示される時間差を保持している。

解釈上の論点

Interpretive Issues
破壊を称賛するか非難するかだけでなく、三枚を選んで並べる写真の形式が行為をどう見せるかを検討できる。
写真に写る行為とその社会的な解釈を区別し、文化的価値の喪失を学習者が再現する課題にはしない。

受験上の着眼点

Exam Points
三つの状態の違いを整理し、連続した映像ではない写真の配列が時間を作ることを説明する。
題名によって壺の歴史が示される場合と、それを知らず形だけを見る場合の読みの差を考える。
サルセドの遺された靴と比較し、物を失う行為の記録と物を保持して見せる方法の違いを捉える。