作品資料

自転車の車輪 / Bicycle Wheel

マルセル・デュシャン / Marcel Duchamp
1951(失われた1913年初作に基づく第3版) · 彫刻 / ミクストメディア
作品画像
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概要

Overview
木製の腰掛けの上に自転車の車輪を取り付け、二つの日用品を通常の使い方から切り離した立体である。
回転する円とそれを支える脚の組合せにより、移動の道具だった部品が、その場で眺める対象へ変わる。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
上方の円と下方の腰掛けが縦に積まれ、細いスポークの広がりと脚の支持構造が異なるまとまりを作る。

空間

Space
車輪の隙間から周囲が見えるため、輪郭で区切られた空間が密な塊ではなく透ける領域として働く。

色彩

Color
金属の車輪と塗装された腰掛けの色や反射の差が、元は別の用途を持つ物を結び付けたことを示す。

形態

Form
円環、放射状のスポーク、直線的な脚が、自然物の再現に頼らない幾何学的な関係を作る。

マチエール

Material
工業製品の金属部品と木製家具を組み合わせることで、素材を彫って形を作る方法とは異なる制作の単位が現れる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
初作は1913年に構想されたが、本レコードは1951年に制作されたMoMAの第3版を対象にしている。
既製品を用いる方法を考える際にも、車輪と腰掛けを組み合わせる加工があるため、単一の物の選択だけとは分けて読む。

解釈上の論点

Interpretive Issues
動かせる構造を持つことと、現在の展示で観客が触れてよいことは別であり、物理的可能性と鑑賞の規則を混同しない。
初作が失われた後の再制作でも作品名が維持されることから、個体と発想の同一性を分けて考える必要がある。

受験上の着眼点

Exam Points
車輪と腰掛けを通常の用途へ戻す場合を考え、組合せがそれぞれの機能をどう変えるか説明する。
円の内側の空間と腰掛けの脚の間を比べ、立体が空所を囲む方法を見る。
草間の家具への付加と比較し、既製品の機能を停止させる異なる操作を整理する。