作品資料

泉(1964年再制作版) / Fountain

マルセル・デュシャン / Marcel Duchamp
1917/1964 · 彫刻
作品画像
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所蔵機関の作品記録 ↗

概要

Overview
便器を通常とは異なる向きで提示し、用途を離れた輪郭や内部の空所を美術の対象として見せる作品である。
本レコードは失われた1917年の初作そのものではなく、SFMOMAが所蔵する1964年の再制作版を扱う。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
左右へ広がる器の輪郭と中央のくぼみが大きなまとまりを作り、文字の小さな配置がその対称性へ差を加える。

空間

Space
内部へへこむ面と外へ張り出す縁が、日常では機能に結び付いていた空間を彫刻的な凹凸として見せる。

色彩

Color
明るい釉薬の面と暗い文字や穴の差が、輪郭だけでなく表面上の小さな介入へ注意を向けさせる。

形態

Form
器の曲面は認識可能な日用品の形を保ったまま、置く向きによって正面や上面の読み方を変える。

マチエール

Material
陶器、釉薬、塗料からなる再制作物であり、初作の工業製品と同じ個体が保存されたわけではない。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
1917年の出品をめぐる経緯は、制作だけでなく展示の選別や美術制度が作品の意味に関わる例として考えられる。
1964年版を扱う際には、発想の年代と実際の物体の制作年を分け、作者の関与する再制作という条件を明示する。

解釈上の論点

Interpretive Issues
日用品を美術と呼ぶだけで何も変わらないとする見方と、向きや題名が見る条件を変えるとする見方を比較できる。
作品の価値を手仕事の量だけで測ると、選択、指定、展示の判断をどこへ位置付けるかという問題が残る。

受験上の着眼点

Exam Points
通常の設置方向から変更されたことで、どの輪郭や内部が見やすくなるかを言葉で整理する。
題名、署名、置く向き、展示場所を分け、それぞれが用途からの距離をどう作るか考える。
再制作版を初作と同一物として扱わず、作品の継続を支える条件を比較する。