作品資料

秋冬山水図 / Autumn and Winter Landscapes

雪舟等楊 / Sesshu Toyo
15世紀末~16世紀初 · 水墨
作品画像
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所蔵機関の作品記録 ↗

概要

Overview
秋景と冬景の二幅からなる山水画で、岩や樹木の輪郭と余白の配置を変えながら異なる空間の感触を作る。
冬景の強い折れを伴う線と、描かれずに残された領域が、奥へ進む道筋と画面を分ける緊張を同時に生んでいる。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
二幅を一続きの風景と決め付けず、それぞれの岩、樹木、空所の重心を比べると構成の違いが分かる。

空間

Space
近い岩の濃い墨と遠い形の薄さ、形の重なりによって距離が示され、空所がその間をつないでいる。

色彩

Color
多彩な色の代わりに、墨の濃淡と紙の明るさの差が対象の分離や季節の印象を支えている。

形態

Form
岩の折れた輪郭と樹木の線が硬い方向性を持ち、丸みのある形との対比によって視線を動かす。

マチエール

Material
紙に置かれた墨の乾いた跡と濃い部分の差が、岩肌や樹木を思わせる質感を少ない手段で示す。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
室町時代の山水画として、実在の一地点の再現だけでなく、山や水の配置を画面内で構築する表現として位置付けられる。
東京国立博物館の二幅を一作品の単位とし、片方だけの画像や複製を採用個体と取り違えない。

解釈上の論点

Interpretive Issues
鋭い線を作者の感情の直接的な記録と断定せず、周囲の余白や形との関係で生じる効果として説明する。
季節名を知ることと季節の違いを造形から読むことは別であり、題名に頼らない比較が課題となる。

受験上の着眼点

Exam Points
二幅の大きな墨の塊と余白を図式化し、視線が通る道筋の違いを説明する。
濃い近景と淡い遠景だけでなく、強い線が奥行きを分断する働きにも注目する。
北斎の山の輪郭やセザンヌの色面と比べ、水墨で距離を示す手掛かりを挙げる。