作品資料

野馬図屏風 / Wild Horses

与謝蕪村 / Yosa Buson
1763 · 墨・彩色
作品画像
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京都国立博物館:野馬図 ↗

概要

Overview
群れる馬を横長の屏風に描き、異なる姿勢や向きの組合せによって、動物の集団を画面のリズムへ変えた作品である。
馬の形を個別に読むことと、複数の身体がつくる間隔を全体として捉えることが、異なる鑑賞の入口になる。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
馬のまとまりと間隔が横方向に展開し、同じ動物の反復の中に姿勢の違いが変化を加える。

空間

Space
地面や馬の重なりが前後を示すが、強い遠近法で一点へ導くよりも、横に広がる集団の関係が重視される。

色彩

Color
身体ごとの明暗や色の差が隣り合う馬を分け、背景との対照がそれぞれの輪郭を読みやすくしている。

形態

Form
胴体の量と細い脚の取り合わせ、首の角度の違いが、同じ動物でも異なる重心や動きを生む。

マチエール

Material
六曲一双の画面は折れ面をもち、横に連続する群れが実際の設置では一度に平らな面として見えるとは限らない。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
京都国立博物館所蔵のA甲96に対応する作品で、同館の2016年出品目録は制作年を1763年としている。
蕪村の屏風作品の一つであり、文字と挿絵が進行する奥の細道の画巻とは、見る範囲と時間の組立てが異なる。

解釈上の論点

Interpretive Issues
野馬という題名から自由や自然の象徴を読み込む前に、個体の向きと集団の組織化を観察する必要がある。
動物の姿勢の違いを人間の心理のように断定せず、重心、接地、間隔の差として説明できる。

受験上の着眼点

Exam Points
馬の形の共通部分と姿勢の相違を分け、反復が単調にならない仕組みを説明する。
一頭を見る場合と集団を見る場合を比べ、周辺の馬との間隔が各個体の見え方を変えることを考える。
《大水浴図》の人物群と比較し、複数の身体を風景の中へ配置する方法を整理する。