作品資料

赤いアトリエ / The Red Studio

アンリ・マティス / Henri Matisse
1911 · 油彩
作品画像
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所蔵機関の作品記録 ↗

概要

Overview
画家の制作室に置かれた家具や作品を、広い赤い面の中へ配置した室内画である。
壁と床を同系統の赤で連続させる一方、家具の輪郭や絵画の枠が残り、平面の広がりと室内の奥行きが競合する。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
椅子、机、立て掛けられた絵画が画面の周囲に散り、中央の空いた赤い領域がそれらの距離を結び付ける。

空間

Space
壁と床の色による区別は弱いが、家具の斜線や重なりが室内としての位置関係を保っている。

色彩

Color
大部分を占める赤に対して、画中の作品の色が小さな差として現れ、全体の統一と部分の違いが両立する。

形態

Form
家具の形は細かな陰影より輪郭に頼り、周囲の赤に切り抜かれたような線のまとまりとして読める。

マチエール

Material
油彩の塗られた面と塗り残されたように見える輪郭の差が、物を描く操作と画面を覆う操作を意識させる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
1911年の制作室を主題とする作品で、室内に自作が描き込まれ、作品が別の作品の内部へ配置される構造を持つ。
MoMA所蔵のカンヴァスを対象とし、室内を写した資料写真や画中画の元作品を同じレコードへまとめない。

解釈上の論点

Interpretive Issues
現実の部屋が赤かったかという問いだけでは、赤が全要素をまとめる画面上の役割を説明できない。
平面的な色面と奥行きを示す家具の線が、矛盾として見えるか、共存する空間として見えるかが論点となる。

受験上の着眼点

Exam Points
赤い面が連続する範囲と、輪郭や別の色がそれを区切る場所を分けて整理する。
部屋として読むための手掛かりを斜線、重なり、尺度へ分解し、陰影の少なさと比較する。
セザンヌの色面による風景構築と比べ、画面全体を占める一色の効果を説明する。