作品資料

アーティスト・イズ・プレゼント / The Artist Is Present

マリーナ・アブラモヴィッチ / Marina Abramović
2010 · パフォーマンス
作品画像
このサイトでは作品画像を直接掲載していません
著作権と画像利用条件に配慮し、公式・所蔵館などの確認先をご案内します。
モーマ・2010年実演記録 ↗

概要

Overview
作者が美術館で椅子に座り、向かいの席へ来る来館者と無言で向き合うことを続けたパフォーマンスである。
二〇一〇年のモーマでの実演を対象とし、同名の回顧展全体、後年の映画、来館者の肖像写真とは区別する。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
向かい合う二人の位置が構成の核となり、周囲で見る人々と実際に座る一人の関係を分けている。

空間

Space
作品の場は他の来館者と共有される美術館の空間であり、二人の対面は完全に私的な密室で起きるわけではない。

色彩

Color
衣服や会場の色は可視的な条件だが、ある一枚の写真の色調を、長期間の実演全体を代表する固定の配色とはみなさない。

形態

Form
座る身体の姿勢と顔の向きが基本形を作り、大きな身振りが少ないことで小さな変化へ注意が向きやすくなる。

マチエール

Material
作者と参加者の身体、椅子、共有する時間を用いる実演であり、無言の対面を記録映像の再生と同一視しない。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
二〇一〇年のモーマの公開時間中に行われ、来館者が向かいの席へ座ることによって一回ごとの対面が生じた。
同じ展覧会には過去作の再演もあったが、本レコードは作者自身によるこの新しい実演に限定する。

解釈上の論点

Interpretive Issues
参加者が感動したという反応を作品の唯一の成果とせず、沈黙や見られる状況がどのような条件を作るかを考える。
座って動かないことは何もしていないことと同じではなく、相手と時間を共有し続ける行為として検討できる。

受験上の着眼点

Exam Points
実際に座る人、周囲の観客、後から記録を見る人を分け、それぞれの見る立場を説明する。
言葉を交わさない対面が、視線、姿勢、時間の長さをどのように目立たせるかを考える。
《モナ・リザ》との比較から、描かれた人物の視線と、同じ場にいる相手の視線の違いを整理する。