作品資料

瓶の中のネルソンの船 / Nelson's Ship in a Bottle

インカ・ショニバレ / Yinka Shonibare
2010 · 彫刻 / ミクストメディア
作品画像
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グリニッジ王立博物館群・作品解説 ↗

概要

Overview
ネルソンの旗艦ヴィクトリー号に基づく船の模型を大きな透明の瓶へ収め、柄のある帆を取り付けた作品である。
船を瓶に入れる小さな模型の形式を公共の場の大きさへ拡張し、海軍の記憶と布の流通を同じ構造へ重ねている。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
長い瓶の中へ船体、帆柱、帆をまとめ、内部の細部と外側の容器という二段階の輪郭を作っている。

空間

Space
透明な瓶によって内部を見ることはできるが直接入れず、実際の船と比べて見る者の関わり方が大きく変わる。

色彩

Color
帆の多彩な模様が船の歴史模型という期待へ変化を加え、帆を単なる白い機能部品として見せない。

形態

Form
船体の水平な長さと帆柱の垂直方向が交わり、その全体を瓶の曲面が包み込む形となっている。

マチエール

Material
模型、柄を持つ帆、透明な瓶などを組み合わせ、航行する船ではなく、船を囲って示す彫刻として成立している。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
二〇一〇年にロンドンの第四の台座で公開され、その後二〇一二年に国立海事博物館へ移された作品である。
帆の模様はインドネシア、欧州、西アフリカにまたがる布の流通を考える手がかりとなり、単一の国の記念へ収まらない。

解釈上の論点

Interpretive Issues
海軍の功績を祝う模型としてのみ見るか、船を支えた越境的な交流へ視点を移すかで読みが変わる。
船の模型としては縮小され、瓶の工芸としては拡大されているため、大きいか小さいかは比較の基準によって異なる。

受験上の着眼点

Exam Points
瓶、船体、帆という異なる要素を分け、既知の歴史像に布の変更が加わる効果を説明する。
制作・公開の年と移設の年を区別し、置かれる場所が歴史の読みへ関わることを考える。
《ゲルニカ》と比較し、公的な歴史を語る作品が記念と問い直しをどのように組み合わせるかを検討する。