作品資料

ママン / Maman

ルイーズ・ブルジョワ / Louise Bourgeois
1999/2001年鋳造 · 彫刻
作品画像
このサイトでは作品画像を直接掲載していません
著作権と画像利用条件に配慮し、公式・所蔵館などの確認先をご案内します。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館・作品記録 ↗

概要

Overview
長く細い脚で胴を高く支え、腹部に卵のまとまりを持つ巨大な蜘蛛の彫刻である。
本レコードはビルバオ・グッゲンハイム美術館の鋳造作を扱い、同じ題名で別の場所に置かれた鋳造作品とは区別する。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
大きく広がる脚と高い位置の小さな胴の対比により、塊の大きさだけではなく囲われた範囲が全体を形づくる。

空間

Space
脚の間の空きは周囲の実空間につながり、見る位置を変えると囲いにも通路にも感じられる。

色彩

Color
金属の暗い表面と明るい卵の部分が異なる印象を持ち、さらに屋外の光が脚の輪郭と凹凸を変化させる。

形態

Form
細長い脚の反復と胴のまとまりが、蜘蛛という識別可能な形を保ちながら、建築に近い大きさへ拡張される。

マチエール

Material
ブロンズ、大理石、ステンレス鋼を用い、生き物の形を硬い材料で長期間支える構造として成立させている。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
作品の構想年は一九九九年で、ビルバオの所蔵品は二〇〇一年鋳造の版であることを年表記に残している。
作者が蜘蛛を母の記憶と結びつけたことを背景として考えられるが、鑑賞者の反応をその意味だけに限定しない。

解釈上の論点

Interpretive Issues
大きな蜘蛛が覆う形は保護とも威圧とも読め、同じ脚の広がりから異なる身体的な距離感が生じうる。
題名や作者の説明がなくても、極端な拡大と細い脚の組み合わせがどのような印象を作るかを検討できる。

受験上の着眼点

Exam Points
胴の体積だけでなく脚が囲う空間を含めて、彫刻の規模を説明する。
卵のまとまりと脚の広がりを結びつけ、保護と威圧が共存する読みの根拠を考える。
サルセドの床の裂け目と比較し、人の身体より大きい構造が移動や立ち位置を意識させる仕組みを捉える。