作品資料
サトゥルヌス / Saturn
フランシスコ・デ・ゴヤ / Francisco de Goya
1820–1823年 · 壁画 / ミクストメディア
作品画像
このサイトでは作品画像を直接掲載していません
著作権と画像利用条件に配慮し、公式・所蔵館などの確認先をご案内します。
プラド美術館作品記録 ↗
概要
Overview
暗闇の中で大きな人物が小さな身体を握り、目を見開いた姿を描く、黒い絵と呼ばれる作品群の一点である。
神話上の父と子の物語に結び付けられる一方、場所や時間の説明を削り、握る手と見開く目の異様さへ注意を集めている。
造形分析
Formal Analysis
構図
Composition
縦長の画面に大きな身体を押し込み、折れた脚と曲がる腕が人物の周囲に逃げ場の少ない形を作る。
空間
Space
背景の暗闇には距離を測る目印がなく、身体の大きさを周囲と比較できないことが不安定な空間を生む。
色彩
Color
黒や褐色の中で目の白と握られた身体の明部が突出し、局所的な赤が場面の緊張を高めている。
形態
Form
身体の比率や関節の曲がり方が安定した人体像から離れ、大きな手と目が人物全体の印象を支配する。
マチエール
Material
もとは住居の壁に描かれ、後にキャンバスへ移されたため、現在の独立した絵画の形は当初の設置状態とは異なる。
文脈・解釈
Context & Interpretation
文脈
Context
ゴヤが住んだキンタ・デル・ソルドの壁面装飾に属し、現在はプラド美術館で独立した作品として保存されている。
サトゥルヌスという主題名から制作意図の全体が確定するわけではなく、私的な壁画の意味には解釈の余地が残る。
解釈上の論点
Interpretive Issues
老い、時間、権力などの寓意を考えることはできるが、どれか一つを作者の確定的な告白に置き換えない。
不安を強めるのは主題だけでなく、尺度の不明な暗闇と、不自然に大きく感じる目や手の組み合わせでもある。
受験上の着眼点
Exam Points
手、目、脚の比率を分けて説明し、人体の変形が印象を作る仕組みを整理する。
背景の欠如が身体の尺度と距離を曖昧にすることを具体的に述べる。
ベーコンの三連画と比較し、暗闇に孤立する身体と色面に隔てられた身体の不安の違いを考える。
関連
Related
関連概念
Related Concepts
関連作品
Related Works
関連作家
Related Artists