作品資料

真珠の耳飾りの少女 / Girl with a Pearl Earring

ヨハネス・フェルメール / Johannes Vermeer
1665年頃 · 油彩
作品画像
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マウリッツハイス作品記録 ↗

概要

Overview
肩越しに振り向く人物の顔を、暗い背景と青と黄の頭布の間に置き、見る側との一瞬の出会いを作った絵画である。
耳飾りや唇の小さな光が、滑らかに変わる頬の明暗と対照をなし、少ない要素で視線を集中させている。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
肩の斜めの向きと顔の正面寄りの向きがずれ、振り向く動きの途中を切り取ったような関係を作る。

空間

Space
場所を特定する背景がなく、顔と肩の前後関係だけが近い距離で人物を立ち上げている。

色彩

Color
頭布の青と黄、白い襟、肌の柔らかな色を暗い背景が囲み、広い色面と小さな輝きを対比させる。

形態

Form
顔の輪郭は場所によって曖昧になり、耳飾りも線で閉じず、反射を手掛かりとして形を推測させる。

マチエール

Material
キャンバスに置かれた絵具は、肌では滑らかな明暗を、襟と耳飾りでは強い光の点を作り分けている。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
マウリッツハイス所蔵の本作は、特定個人の記録を主目的とする肖像ではなく、人物の型や表情を扱うトローニーに分類される。
異国風の頭布は、描かれた人物の出自を証明する資料ではなく、画中の人物像を構成する衣装として扱う必要がある。

解釈上の論点

Interpretive Issues
見る側へ向く視線や開いた唇から物語を想像できるが、人物の身元や発話を確定することはできない。
耳飾りを実物の真珠と断定せず、少数の光の痕跡から物を認識する鑑賞の働きを考えられる。

受験上の着眼点

Exam Points
肩と顔の方向の差を記述し、正面を向いた静止像とは異なる時間感覚を説明する。
耳飾りの反射と頬の陰影を比べ、輪郭線を使わず形を示す方法を整理する。
モナ・リザと比較し、背景の有無が視線の親密さと人物像の解釈へ及ぼす違いを考える。