作品資料
焔 / Flame
上村松園 / Uemura Shoen
1918 · 墨・彩色
作品画像
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東京国立博物館:焔 ↗
概要
Overview
源氏物語の六条御息所の生霊を題材に、女性の身体や衣服の曲線によって、内面の激しさを感じさせる人物画である。
大きな炎を描くのではなく、髪、衣服、模様の線がまとわりつくように重なることで、題名の感情的な意味へ導く。
造形分析
Formal Analysis
構図
Composition
細長い人物の輪郭に曲線が集中し、身体の内外を流れる線が縦長の画面に緊張を保つ。
空間
Space
具体的な室内や地面の説明が抑えられるため、人物は日常の場所から切り離され、像そのものへ注意が集まる。
色彩
Color
肌と衣服の明るさや色の差が身体の部分を分け、装飾の細い線が広い色面の静けさに変化を加える。
形態
Form
身体を包む衣服の曲線と髪の細線が反復し、輪郭の整った姿に不安定な動きを重ねている。
マチエール
Material
絹本着色の一幅で、細い線と淡い面の組合せが重要になる。墨線の勢いだけで感情を示す絵とは異なる。
文脈・解釈
Context & Interpretation
文脈
Context
東京国立博物館所蔵の1918年作で、源氏物語に由来する主題を扱う。制作時の現実の人物の肖像ではない。
松園の静かな女性像と比較できるが、同じ画家の作品を一つの感情や一つの女性像へまとめない必要がある。
解釈上の論点
Interpretive Issues
嫉妬という主題を女性一般の性質として広げず、物語上の人物と、この作品で選ばれた視覚的な表現を区別する。
題名を見て炎が描かれていると決め付けず、曲線や装飾が比喩的な感覚を生む仕組みを考える。
受験上の着眼点
Exam Points
髪、袖、模様の曲線を同じ動きとして見る場合と別々に読む場合を比べ、緊張の成り立ちを説明する。
主題を知らない場合にも読み取れる印象と、物語を知って初めて加わる意味を分ける。
ベーコンの歪められた人物像と比較し、形を大きく崩さずに不安を伝える方法を考える。
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