作品資料

バレエの授業 / The Dance Class

エドガー・ドガ / Edgar Degas
1873–1876年 · 油彩
作品画像
このサイトでは作品画像を直接掲載していません
著作権と画像利用条件に配慮し、公式・所蔵館などの確認先をご案内します。
オルセー美術館作品記録 ↗

概要

Overview
稽古場の床を斜めに見渡す位置から、教師の周囲で練習したり休んだりする踊り手たちを描いた作品である。
舞台で完成した演技を見せる瞬間ではなく、待つ身体や衣服を直す動作を含め、踊りを支える日常の時間へ注意を向けている。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
床の大きな空きと壁沿いに集まる人物を対照させ、手前から奥へ伸びる床板の斜線が視線の経路を作る。

空間

Space
少し高い斜めの視点が床の広がりを見せ、人物の重なりと大小によって稽古場の奥行きを示している。

色彩

Color
白い衣装を反復しながらリボンなどの色を点在させ、木の床や壁の色との対照で身体の動きを読み取りやすくする。

形態

Form
踊る、腕を上げる、休むなどの姿勢を混在させ、同じ衣装の人物を一種類の形へ揃えない。

マチエール

Material
キャンバスの油彩は、衣装の軽い筆触と床の広い面を描き分け、身体の細かな変化と室内の安定を対比させる。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
本レコードはオルセー美術館の油彩画を扱い、同主題の他館所蔵作や素描と区別する。
十九世紀パリのバレエを、娯楽の華やかな舞台だけでなく、訓練と仕事の場所から見た作品である。

解釈上の論点

Interpretive Issues
何気なく見える姿勢や切り取りも構成の結果であり、現場を偶然のまま写した一枚と決める必要はない。
踊り手を美しい形としてだけ見ると、練習の負荷や待機の時間、見る側との立場の差を見落としやすい。

受験上の着眼点

Exam Points
床の空きと人物の集まる場所を分け、密度の差が構図を動かす仕組みを説明する。
踊る動作と休む動作を挙げ、身体が一つの理想的ポーズへ統一されていないことを整理する。
大水浴図と比較し、職業的な稽古の身体と風景に組み込まれた裸身群の配置の違いを考える。