作品資料

象を映す白鳥 / Swans Reflecting Elephants

サルバドール・ダリ / Salvador Dali
1937 · 油彩
作品画像
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ダリ財団作品総目録:象を映す白鳥 ↗

概要

Overview
水辺の白鳥や背後の形が水面の反射で象の姿にも見えるように組み合わされ、一つの場面に二つの読取りを生む絵画である。
何がどこにあるかを一度で決められず、上下の対応を見直すたびに、輪郭をまとめる単位が変化する。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
水面を挟む上下の対応が構図の中心となり、上の鳥を追う視線が下の別の動物の形へ移る仕掛けをつくる。

空間

Space
水面と岸の位置は反射の場を説明するが、映る形の認識が変わるため、自然な風景の仕組みが視覚の遊びへ転じる。

色彩

Color
明暗と色のまとまりが反射の形をつなぎ、輪郭線だけでなく色面の連続も二つの像の切替えを助ける。

形態

Form
白鳥の首や周囲の形を別の動物の部分へ読み替えさせ、形そのものよりも部分のまとめ方を変化させる。

マチエール

Material
油彩・カンヴァスに描いた作品で、水面が実際に像を反射しているのではなく、反射を含む場面全体が構成されている。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
1937年の個人蔵作品で、ガラ=サルバドール・ダリ財団の作品総目録ではP454として記録される。
二重に読める像を用いる表現として、対象を歪める方法と、複数の対象の輪郭を共有させる方法を区別して考えられる。

解釈上の論点

Interpretive Issues
象を発見することを鑑賞の終点にせず、どの境界をつなぐと像が切り替わるのかを検討することができる。
水面の反射という自然現象を手掛かりにしているが、実際の光学現象を記録した画像としては扱わない。

受験上の着眼点

Exam Points
上の鳥と下の象が共有する形の手掛かりを考え、部分をまとめ直す操作を説明する。
反射の仕組みを知らなくても読める部分と、水面という設定が必要な部分を分ける。
《アヴィニョンの娘たち》の複数の形の読みと比較し、見る側の認識が一つに固定されない方法を見る。