作品資料

ナンバー10 / No. 10

マーク・ロスコ / Mark Rothko
1950 · 油彩
作品画像
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モーマ・作品記録 ↗

概要

Overview
大きな色の領域を上下に重ね、柔らかな境界と周囲の地を通して、色面同士の近さや隔たりを感じさせる絵画である。
人物や物を置かず、黄系や青系などの色の関係と縁の変化によって、見る対象と背景の関係を組み立てている。

造形分析

Formal Analysis

構図

Composition
横に広がる色面を縦長の画面で積み重ね、色面ごとの幅や間隔の差を全体の均衡に関わらせている。

空間

Space
色面が地の手前に浮くようにも面へ沈むようにも見え、遠近法によらない不確かな浅い空間を生む。

色彩

Color
黄系や青系などの色の対照に加え、同じ領域内の濃淡や周囲の色との接触が印象を変える。

形態

Form
矩形に近い形を用いるが縁は定規で切ったように硬くなく、形と地が接する帯にも変化がある。

マチエール

Material
油彩・カンヴァスによる大画面であり、塗膜の重なりと柔らかな縁を、均一なデジタル色面と同一視しない。

文脈・解釈

Context & Interpretation

文脈

Context
モーマ所蔵の一九五〇年作を対象とし、同じ番号を含む別年のロスコ作品と区別する。
生物的な形を描いた一九四四年作と比較することで、色面だけで構成を担う方法への展開を考えられる。

解釈上の論点

Interpretive Issues
ある色を特定の感情に固定して対応させるより、色面の大きさと縁の状態が鑑賞に与える差を検討できる。
画面の縮小画像で色の配列を把握しても、実物の大きさによる身体との関係まで等しく経験したとは言えない。

受験上の着眼点

Exam Points
色面を色名だけで記述せず、位置、大きさ、縁、間隔という異なる要素へ分けて説明する。
矩形の輪郭が硬くないことが、色面と背景の分離をどう変えるかを考える。
セザンヌの色の面と比較し、対象の量感を構成する色と対象を置かず成立する色面の違いを捉える。